アスラズラース　プレイ感想

XBOX360版をアスラズラースを購入。早速クリアしてみました。その感想、レビューとなります。問題ないであろう軽いネタバレを含みます。ネタバレ記事を読みたければこちらを。＞アスラズラース プレイ感想2

レビューを書いておいてなんですが、私は他人のレビューを見ません。正確に言うと、新作を買う場合はプレイ前にレビューを見ません。基本、フィーリング、勢いで買います。

個人的には高い評価をしたいところなのですけど、世の中的には想像以上に評判が悪いようで吹きました。魅せるゲームとして、非常によくできていると思うのですけどね。意欲作だと思いました。

ジャンル

ジャンルはアクション。と言いたいところですけど、インタラクティブムービーの方が正しいでしょう。見るゲームですね。

一昔前はLDゲーム、最近ではいわゆるQTE(クイックタイムイベント)と言われているやつで、ムービーが流れている最中にボタンを表示されて、それをタイミングよく押していくとゲームが進んだり、評価が上がったりする。本タイトルの場合、全プレイ時間の7割はそれで占められているのではないでしょうか。

ゲーム全体の7割はそれで、あとの3割は3DのSTG、3Ｄのアクションと言った感じです。アクションを期待していると、ちょっと肩すかしを食らうのは間違いないでしょう。

QTE、アクションの部分は非常に派手で、無駄に熱いバトルを繰り返してくれるので評価できますが。が、STGの部分はこじんまりとまとまっていて、正直言って中途半端。アスラというキャラに、どうにもしっくりこない。STGにするにしても弾を撃って倒すというよりかは、殴って倒すようなゲーム性に無理矢理にでもしてほしかったところです。

難易度

難易度は非常に低いです。easy、normal、hardとあり、normalでプレイしましたけど、後半以外は全く余裕です。もちろん中盤でも死ぬには死にますけど、その場で再開できますので難しく感じられません。

これは思うに、見るゲームに特化させた為でしょう。アクションパートで無駄に時間をかけさせて、物語の流れをぶっちぎることのないようにとの配慮の結果ではないでしょうか。

難しいのがいいのであれば、hardを選ぶべきでしょう。

プレイ時間

全18章を一通り終わって、スタッフロールが流れるまでに6時間。5つ以上の面をSランクでクリアするとプレイできるようになる、真説18章をクリアするのに更に1時間。トータルで大体7時間といったところです。つまるところが少ないゲームですので、誰がプレイしてもその辺の時間に落ち着くと思います。

批判の1つにこのプレイ時間があるようです。確かに短いとは思いますけど、手を抜いた結果で短いというわけではありません。密度の高い7時間です。お金はあるけど時間はない社会人としては、むしろ非常に助かります。

アニメの映像ものを買うと、1時間ちょいで似たような値段です。6時間入ってこれなら、全然安いでしょう。という感覚になれない人には、勧められません。

シナリオ

完全にアニメを意識した構成となっています。仏教様式風SFで、普通に巨大戦艦なんかも出てきたりして、非常にわけのわからい独特の世界観を持っています。文明は非常に進んでいるそうです(多分、支配階級のみ)。

ヴリトラという魔物(?)と、七星天と呼ばれる自称神様を中心に話が進みます。オーソドックスなキャラ達ではありますけど、いい味を出しているのではないでしょうか。体験版で遊べる二人(デブと師匠)はトップクラスにいいとして、個人的にはじいさんがいい感じです。最後の最後は、結局ごり押しでやられるのもgood。

残念なのはキザ男と唯一の女性キャラ。もうちょっと活躍させてほしかったですね。そうは言っても、どのキャラも物語の中でそれなりの役割を果たしています。二人に関してはちょっと残念ですけど、全体としてはよくやっているのではないでしょうか。

で、これもまた批判の矛先となっている真説18章。基本的な流れは最終面である18章と同じなのですけど、最後の最後がちょっと違っています。新たなる敵みたいなのが出て、続編(or 追加DLC?)を匂わせつつ終了となります。これがふざけんなって話なわけですけど、別にそこまで気にしなくいいのでは？　大作なら続編があって不思議はないですし、MGSだって最後の最後にそういうのがあったりしますよね。

蛇足と言えば蛇足な気がします。が、あれがないと、七星天の内一人の役割が弱くなってしまいます。もうちょっと抑え目な引きにしておけば良かったかのかもしれません。という理屈で、わざわざスタッフロールの流れない真説18章という形にしたのではないかと思っています。

総評

9点です。インタラクティブムービー、見る、魅せるゲームとしては非常によくできています。アクションも非常に派手で、且つ遊びやすいものです。無駄な要素を極力省き、魅せるゲームに特化した点は評価できるでしょう。

制作者側もプレイ時間に関しては、批判を浴びるであろう事は用意に想像できます。長くする気になれば、いくらでも長くできるものです。ボスがいる部屋の扉を開ける為に鍵を3つ集める、5つの銅像の向きを正しい方向に向ける、7つの宝珠を集めて正しい位置に収める、etc。糞どうでもいい要素を入れる気になれば、いっくらでも入れられるものです。が、それらを一切排除して、扉があれば殴って壊す、ムービーで派手にぶっ壊す。そういう手法を取っているのが本作です。

最後まで飽きることなく一気に遊ばせる。この英断を個人的には評価したいですね。

本タイトルは前々回のゲームショーに出展されていたぐらいですから、結構な時間をかけていると思います。こういうタイトルを1年に1本ぐらいの間隔でポンポンと出せるようになると、映像ゲームという分野が凄いことになったりするのではないか。そんな期待はあります。

アニメDVD等は買わない人間ですけど、これは買ってよかったですね。飽きることなく最後まで一気に楽しめました。次回作に期待します。

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